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2024.2.28 お知らせ

意外と知らないフィラリア予防

こんにちは

フィラリア症はフィラリアに感染した動物の血を吸った蚊が媒介して心臓に虫が寄生する病気です。

ワンちゃんを飼っている人なら知らないはずがない有名な病気ですが、その予防法については意外と誤解が多いように感じます。
今回はよくある質問をQ&A方式でまとめてみたいと思います。

Q&A

Q:どうやって予防するの?
A:月1回の投薬で予防できます

Q:散歩嫌いで外行かないから予防いらないでしょ?
A:室内でも蚊はいますので予防が必要です。実際、当院の患者さんでも完全室内飼育のわんちゃんで感染してしまった例もあります。

Q:予防期間はいつからいつまでなの?ネット見ると色々‥‥
A:5月から12月までの予防が必要です
フィラリア予防薬は、蚊に刺されないようにするお薬ではなく、蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの子虫を駆除するお薬です。

蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの子虫は、最初はわんちゃんの皮膚や筋肉にとどまります。その後1−2ヶ月すると血管に移動します。
予防薬は血管に移動してきた子虫に1か月の間だけ効果があるお薬なので、蚊がいない12月(11月頃に蚊に刺されて感染した子虫が血管に移動してくる12月まで)投薬が必要となります。

Q:3月にモカがいるけど予防しなくて大丈夫?1年中やった方がいいって聞いたけど‥
A:蚊は気温が18℃以上になると吸血活動を開始します。フィラリアは蚊が吸血することで感染しますが、予防薬は血管に入ってきた子虫を駆虫する薬になりますので、一般的にはフィラリア症に感染する可能性のある時期(蚊の吸血活動が始まる時期)から感染の可能性がなくなる時期(蚊が吸血しなくなる)の1か月後まで投薬する必要があります。1月ー3月は必要ないと考えます。
ただ、近年の異常気象を考えると、感染期間は年々長くなる傾向があります。お住まいの場所によっては(河川、水田、池や藪が近いなど)は4月から始めるのも必要かもしれません

Q:毎年検査は必要なの?
A:フィラリア予防薬は感染していないわんちゃんには安全性の高いお薬です(例えば5倍量飲んでも問題ありません)。万が一、すでに感染しているわんちゃんそのまま飲んでしまうと強いアレルギー反応を起こし容態が急変する場合もあります。
子犬の場合は検査が必要ない場合もありますが、こう言った理由から予防を始める前に毎年必ず検査が必要となります。

もし疑問があれば、診察時に気軽にお聞きくださいね。